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第2条 解剖体の記録の保存の期間は、遺骨の返還又は収蔵若しくは埋蔵の日から5年間とする。

 

附則
この省令は、昭和58年11月25日から施行する。

 

文大医第237号
昭和58年11月17日
医学部又は歯学部を置く
各国公私立大学長 殿
文部事務次官
佐野文一郎

 

医学及び歯学の教育のための献体に関する法律等の施行について(通達)

 

このたび,医学及び歯学の教育のための献体に関する法律(昭和58年法律第56号。以下「法」という。)が、昭和58年5月25日に公布され、同年11月25日から施行されることになりました。
また、医学及び歯学の教育のための献体に関する法律に基づく正常解剖の解剖体の記録に関する省令(昭和58年文部省令第27号。以下「省令」という。)が、昭和58年11月17日に公布され、同年11月25日から施行されることになりました。
法及び省令の要旨及び留意点は、下記のとおりですので,御了知の上、その運用について遺漏のないよう願います。

 

 

第1 医学及び歯学の教育のための献体に関する法律について

 

1.制定の趣旨
献体の意思が尊重されるべきことを定め、献体に係る死体の解剖の要件を緩和し、献体の意義について国民の理解を深めること等により、医学及び歯学の教育の向上に資することを目的とするものであること。

 

2.内容

 

(1)献体の意思の定義
「献体の意思」とは、「自己の身体を医学及び歯学の教育として行われる身体の正常な構造を明らかにするための解剖の解剖体として提供することを希望すること」をいうものとしたこと(法第2条)。

 

(2)献体の意思の尊重
献体の意思は、尊重されなければならないことについて、明文の規定を設けたこと(法第3条)。

 

(3)死亡の解剖の要件の緩和
死亡した者が献体の意思を書面により表示している場合において、「学校長が、死亡した者が献体の意思を書面により表示している旨を遺族に告知し、遺族がその解剖を拒まない場合」には、その死体の正常解剖を行おうとする者は、死体解剖保存法、(昭和24年法律第204号)第7条本文の規定にかかわらず、遺族の承諾を受けることを要しないこととしたこと(法第4条)。
また、「死亡した者に遺族がない場合」にも、同様としたこと。
なお、ここに「学校長」とは,学長のほか、医学部長及び歯学部長を含むものであること。

 

(4)引取者による死体の引渡し
死亡した者が献体の意思を書面により表示している場合において、「当該死亡した者に遺族がない場合」には、「その死体の引取者は、学校長から医学又は歯学の教育のため引渡しの要求があったときは、当該死体を引き渡すことができる」こととしたこと(法第5条)。

 

(5)記録の作成及び保存等
ア 学校長は、正常解剖の解剖体として死体を受領したときは、省令で定めるところにより、当該死体に関する記録を作成し、これを保存しなければならないこととしたこと(本第6条第1項)。
イ 文部大臣は、学校長に対し、学校長が正常解剖の解剖体として受領した死体に関し、必要な報告を求めることができることとしたこと(法第6条第2項)。

 

(6)文部大臣の指導及び助言
文部大臣は、献体の意思を有する者が組織する団体に対し、その求めに応じ、その活動に関し指導又は助言をすることができることとしたこと(法第7条)。

 

(7)国民の理解を深めるための措置
国は,献体の意義について国民の理解を深めるため必要な措置を講ずるよう努めるものとすることとしたこと(法第8条)。

 

 

 

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